《独占インタビュー》韓国発の趣味のオンラインクラス「CLASS101」で人気の「韓国語をアートで楽しむハングルカリグラフィー」開講中のAKIKOさん。文字を自由にデザインするカリグラフィーの魅力とは。

韓国発の趣味のオンラインクラス「CLASS101」は「すべての人が好きなことをしながら生きていける世の中を創る」をテーマに、2018年韓国でスタートし、2020年、日本でサービス開始。韓国スイーツや伝統菓子、韓国料理、ダンス、ハングルカリグラフィーなど、おうちで習える韓国カルチャーのクラスがたくさんあり、Kpopファンも興味津々です。


今回KpopStarzは、「韓国語をアートで楽しむハングルカリグラフィー」を開講中のAKIKOさんにインタビューしました。



◆韓国語に興味を持ったきっかけを教えてください。

AKIKO:学生時代にカナダでホームスティしていたんです。韓国からもたくさん留学生が来ていて、韓国人の友達ができたことがきっかけで、韓国に興味を持つようになりました。


◆英語よりも韓国語に興味を持ったということですか?

AKIKO:当時は韓国語というよりも、韓国という国についてあまり知らなかったので、韓国ってどんな国なんだろうって興味を持つようになって、それから韓国ドラマとか韓国映画を観るようになったんですよね。そこから韓国語にもだんだん興味を持つようになって。勉強してみようかなって感じです。


◆どんな韓国ドラマや映画から入ったんですか?

AKIKO:「シュリ」(1999年)とか「JSA」(2000年)とか。


◆スパイ映画ですよね!

AKIKO:そうです!日本でちょうど上映していて。あとは「猟奇的な彼女」(2001年)、「頭の中の消しゴム」(2004年)を観ました。


◆どのように韓国語の勉強をしたのですか?

AKIKO:基本的には独学なんです。ラジオ講座を聴いたり。あとは韓国に留学していた友達ができたので、その友達に教えてもらったりしました。あとはドラマのセリフをいっぱい聞きました。韓国語を習得というところまではいかなくて、実際は韓国に来てから、毎日韓国語を聞いているので上達しました。


◆韓国に住むことになった経緯は?

AKIKO:夫が韓国人なんです。縁があって結婚することになって、それを機に私も移ることになって、そこから韓国に住んでいます。


◆何年くらい韓国にお住まいになられているのですか?

AKIKO:12年になりますかね。


◆生活する上で言葉の不自由がなくなったのは、韓国で暮らして何年目くらいですか?

AKIKO:そうですね…3年くらいですね。でも時間が経っても、発音とか難しいですよね。大人になって学ぶとなかなか難しいなぁって思うことが今でもあります。


◆カリグラフィーとの出会いは?

AKIKO:子供が幼稚園に通い始めた頃に、育児の間に自分の時間ができるので、自分の趣味を何か持ちたいと思って、学生の時に書道をやっていたので、最初は「ハングル書芸」を習えるところはないかと探していたんですけど、探しているうちに「カリグラフィー」というのがあることを知ったんですよね。ちょうどカリグラフィーが韓国で流行り始めの頃で、そっちのほうがおもしろそうだな~って思ったんですね。日本の筆文字みたいな感じで、型にはまらないで自由に書くので、おもしろそうに見えたんです。カリグラフィーは文字だけじゃなくて絵も一緒に描くんですよね。文字と絵が一緒になっているのがすごく魅力的に見えて、それで興味を持って、カリグラフィーをやってみようと思いました。


◆KpopStarzではハングル書芸家ルシアさんのインタビューを掲載しています。書芸とカリグラフィーの違いは?

AKIKO:ハングル書芸は私がきちんと学んだことがないのでわかる範囲になってしまいますが、一番大きな違いは、書芸には決まった書体があって、カリグラフィーには決められたものがない、ということです。


◆カリグラフィーには「ルール」はないのですか?

AKIKO:はい、そうなんですよ。自由にデザインしていいんです。ただ、ベースになっているのは書芸の書体なんですよね。書芸の書体をベースに、自分で自由に変えていけるというのがカリグラフィーです。そして道具が、書芸は筆を使って書くんですけど、カリグラフィーは筆以外のペンや字を書ける道具を使って書くことができます。


◆カリグラフィーでのカード、ペン選びのコツは?

AKIKO:ペンってものすごくありますよね。基本的には私が書きやすいと感じるペンを選んでいるんですけど、同じ筆ペンでも、筆の長さだとか弾力の違いだとかあって、一番いいのは実際に書いてみて、書きやすいと感じたものを使うのがいいのかなと思います。自分が好きなん道具なので長続きすると思います。

◆AKIKOさん一番お気に入りのペンは?

AKIKO:よく使うのが「呉竹の筆ペンの22号」です。韓国でカリグラフィーが流行って、すごい有名になった筆ペンなんです。だからカリグラフィーをやる人はみんな使ったことがある筆ペンなんです。私もそれが一番書きやすくて、使っています。新しいペンじゃなくて少し使い込んだ筆ペンの方が、ペン先が削れて、やわらかい線が書けるようになるので、「使い込んだ呉竹の筆ペン22号」が一番のお気に入りです(笑)。


◆AKIKOさんが一番好きな書体は?

AKIKO:カリグラフィーというのは、書体が特に決まっていないんですよね。だから作家さんごとに、自由に書いているんですけど、私の場合は4つくらいに書体を分けて使っていて、「カジュアルなまるっぽい可愛い書体」、「大人っぽいエレガントな書体」、「男性的な力強い書体」、「スピード感がある動きがある書体」です。言葉のイメージに合わせて字をデザインしていく感じなんですよね。一番好きなのは「エレガントな大人っぽい書体」です。いい言葉にあわせて書くのが好きです。

◆近年、人々の字を書く機会が減っています。どう思われますか?

AKIKO:以前は、字を書くというのは記録するために書くという感じだったと思うんですけど、これからは字を書くこと自体を楽しんでいくような感じに変わっていくんじゃないかと思います。受講生の中にも「カリグラフィーに没頭している時間が幸せ」と言われる方もいて、あまり字を書かなくなったからこそ、手書きっていうものの価値が感じれるようになったきているのかなって感じます。


◆AKIKOさんが今まで制作したカリグラフィーの作品で、一番思い出に残っているものは?

AKIKO:初めて公募展に出展して入選した作品が思い出に残っています。ちょうど私がまだ駆け出しの頃、カリグラフィーの作家としてやっていけるんだろうか、無理なんじゃないか?って揺れていた時期だったんですけど、賞をいただいたことで、自分でも頑張れるかもしれないっていう思いにさせられた作品です。その時のテーマが「蝶」だったんですけど、蝶のひらひら飛ぶ感じを文字で表現して絵も入れて作った作品です。

◆AKIKOさんの好きなKpopアーティストはいますか?

AKIKO:私はバラードが好きなんですね。ソン・シギョンさんの歌が好きです。ソン・シギョンさんは、ドラマ「星から来たあなた」(2013年)や「シークレット・ガーデン」(2010年)のOSTを歌っていて、日本でもCDを出されていると思います。バラードが好きになったきっかけはシン・スンフンさんで、映画「猟奇的な彼女」のOST「I Believe」という曲を聴いて好きになりました。


ソン・シギョン/You ARE MY SPRING

(ドラマ「シークレット・ガーデン」OST)


ソン・シギョン/Every Moment Of You

(ドラマ「星から来たあなた」OST)


シン・スンフン/I Believe

(映画「猟奇的な彼女」OST)



◆韓国語の読み書きが得意ではないKpopファンが、推しにメッセージカードを贈りたいときの文字のポイントは?

AKIKO:文字自体を可愛く見せたいな~という時は、ハングルって角がカクカクしてるじゃないですか、そこを丸く書くと可愛くなります。文字の「〇」の部分の中に顔を描いてみるのもカワイイと思います。

◆韓国ドラマや映画で使われたカリグラフィーの文字で、印象に残っているものはありますか?

AKIKO:ドラマ「トッケビ」のタイトルがカリグラフィーなんですね。縦に三文字で書いているんです。ドラマの世界観を三文字で表現していて、すごいなぁ!と思いました。

(tvN公式サイトより)


◆好きな韓国料理、得意な韓国料理は?

AKIKO:お刺身が好きなので、海鮮ビビンバみたいな「フェトッパプ」が好きです。ごはんの上に野菜とお刺身を乗せて、コチュジャンと酢がベースの甘辛ソースをかけて食べるんです。料理はそんなに得意じゃないんですけど、簡単に作れて食べれるのが「サムゲタン」です。サムゲタンはよく作って食べるんですけど、夏バテ予防にも食べたりします。


◆ありがとうございました。最後にメッセージをお願いします。

AKIKO:ハングルのカリグラフィーというのは、韓国語の新しい楽しみ方が出来る文化じゃないかと思います。ハングルを美しくおしゃれに書けると、自分でも楽しめますけれど、書いたカードや作品をプレゼントしたら、貰った人を喜ばせることができます。韓国語を学んでいる人だったら、カリグラフィーでいろんな文章を書くので、韓国語の勉強にもなるんですよね。普段の韓国で使う言葉の勉強もできるので一石二鳥かなと(笑)。自分の好きな言葉やメッセージをカリグラフィーでおしゃれに書いて楽しめる、ということをたくさんの人に感じてもらえたら嬉しいです。好きな言葉や伝えたいメッセージ、好きな歌詞、ドラマのセリフなど、自分の気持ちを込めてカリグラフィーで書きながら楽しんでください。

(text:Kiyori Matsumoto)



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